『トレたび』は、交通新聞社が企画・制作・運営する鉄道・旅行情報満載のウェブマガジンです。
天暦5年(951)、空也上人が創建した古刹・六波羅蜜寺。宝物館には空也上人立像や平清盛坐像など、平安・鎌倉期の貴重な木像彫刻が展示されている。境内には清盛塚も。TEL.075-561-6980。宝物館8:30~17:00、無休。拝観料600円
神戸イルミナージュは、噴水や洋風建築、花壇などとの融合が見事な関西最大級のイルミネーション。写真はルネサンス広場。TEL.06-6452-0808(日本イルミネーション協会)。1月17日まで開催。17:30~22:00(点灯は~21:30)、期間内無休。1000円
往復700円のロープウェーに乗って須磨浦山上遊園へ。そこからさらにカーレーター往復300円を乗り継ぎ、標高246mの山頂へ向かう。TEL.078-731-2520。冬季10:00~17:00(季節により変動)、火曜休。入園のみ無料
岩肌の縞模様が美しい砂岩の絵島。夜は幻想的にライトアップされる。TEL.0799-72-3420(淡路島観光協会岩屋観光案内所)。明石港から岩屋港までの高速船450円
約800年前から湧き続けるという湊山温泉。現在は日帰り入浴施設で、加水循環なしの源泉100%を堪能できる。やわらかな湯は肌がしっとりし、湯冷めしないと評判。 TEL.078-521-5839。7:00~22:30、水曜・元旦休。630円
栄華盛衰のストーリーが綴られる『平家物語』。その主人公・平清盛や平家の足跡を追う旅物語は 京都からスタート。
早速、平家が京都の拠点に置いた六波羅(ろくはら・現在の東山区の一部)に向かう。まず訪ねたのは平正盛・忠盛(清盛の父)が庇護を加えた六波羅密寺(みつじ)。清盛の娘・徳子(建礼門院)と高倉天皇の間に生まれた安徳天皇の安産祈願がなされた寺で、宝物館には教科書でも見たことのある有名な平清盛坐像や、口から阿弥陀様が出ている空也上人像が!
東山区内には、ほかにも興味深い伝説が残る忠盛灯籠のある八坂神社や、建礼門院が尼になった長楽寺など、平家ゆかりのスポットが目白押し。
京名物・湯豆腐で体を温めたら、歴史ロマンから一転、イルミネーションの世界へ。三田駅から無料シャトルバスで「神戸市立フルーツ・フラワーパーク」へ向かう。こちらで開催の「神戸イルミナージュ2011」では、中央広場を中心に園内を約300万球のLEDでライトアップ! オーロラのような光のカーテンなど夜空を彩る芸術に、夢心地。
兵庫駅周辺で1泊後、翌朝は街をお散歩。駅から徒歩15分の能福寺は、清盛が剃髪したとされる寺。清盛を弔った平相国廟や日本三大大仏のひとつ・兵庫大仏などを見学しよう。時間が許せば、清盛塚や平清盛像が立つ琵琶塚にも足を延ばしたい。
お次は、いざ、一ノ谷の戦いの主戦場とされる須磨へ! 須磨駅から、まず向かうのは須磨寺。境内には源平の庭があり、『平家物語』の名場面である平敦盛と熊谷直実(なおざね)の一騎打ちをモニュメントなどで再現している。美しき若武者・敦盛の首をはねなければならなかった直実の気持ちを思うと、切なくなった。
須磨一ノ谷から鉄拐(てっかい)山、鉢伏山周辺を整備した須磨浦公園も、平家ゆかりのスポットの宝庫。敦盛塚や「戦の濱」石碑などを回ったら、ロープウェーで須磨浦山上遊園へ。鉢伏山山上からは、須磨浦の海を一望。あの有名な源義経の奇襲「逆落とし」で驚いた平家の人々は、あの海へ逃げまどったのだろうか。
明石駅へ移動し、明石港から船で淡路島の岩屋港に上陸。港から徒歩3分の絵島は、瀬戸内の荒れた海を鎮めるため人柱となった松王丸(清盛の小姓)の供養碑を、清盛が立てたという説も。平家物語の「月見の巻」にも月見の名所として記された美しい島だ。
三宮駅まで戻ったら、バスで湊山温泉へ。『山塊記(さんかいき)』という古い書物によると、清盛が湯屋へ向かったという記述があり、その湯が湊山温泉付近の温泉だったとか。あの清盛と同じ源泉に入っていると思うと、旅の疲れもふっとんだ。
駅名 | 時間 | 旅のひとことアドバイス | |
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1日目 | 名古屋発 | 7:05 | 米原で乗り換え |
京都着 | 9:12 | バスで、六波羅蜜寺、長楽寺、八坂神社など平家ゆかりの地が集まる東山区周辺へ。昼は湯豆腐でほっこり | |
京都発 | 16:14 | 大阪で乗り換え | |
三田着 | 17:34 | 無料シャトルバス20分で関西最大級のイルミネーション「神戸イルミナージュ2011」へ | |
三田発 | 20:22 | 尼崎、三ノ宮で乗り換え | |
兵庫着 | 21:30 | 1泊 | |
2日目 | 兵庫発 | 10:21 | 翌朝は徒歩で、清盛が剃髪したといわれる能福寺や清盛塚へ |
須磨着 | 10:29 | JRを使わずに行くなら山陽電鉄須磨浦公園駅も便利。須磨寺で源平の庭を見た後は、ロープウェーで須磨浦山上遊園へ上り、源平激戦の地とされる須磨浦を一望! | |
須磨発 | 12:39 | ||
明石着 | 12:53 | 徒歩8分の明石港から高速船に乗り、平家物語「月見の巻」にも登場する絵島へ | 明石発 | 16:20 | 明石に戻ったら、今年B-1グランプリで関西最高の10位に輝いた明石焼きを |
三ノ宮着 | 16:35 | バスで、平清盛がつかった湯と同じ源泉という説もある「湊山温泉」に向かう | |
三ノ宮発 | 19:36 | 駅弁「タイガース 勝めし」1000円を購入 | |
名古屋着 | 22:41 |
2011年11月に姫路で開催されたB-1グランプリで、関西最高の10位に輝いた明石焼き。ふわとろの生地を崩さないよう透明なダシ汁につけて食べれば、まず生地がとろりと口に広がり、その後コリコリしたタコの旨みが広がる。熱々だけど、箸が止まらない! 市内各所で味わえる。TEL.078-911-2660(明石観光案内所)
文:鈴木健太
写真協力:六波羅蜜寺、日本イルミネーション協会、須磨浦遊園、淡路島観光協会、湊山温泉、明石観光協会
※掲載されているデータは平成23年12月現在のものです。