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日本の夏 のんびり鉄旅 発売30周年の青春18きっぷ おトクに旅せよ、青春の夏!

  • 上野駅発着/1泊2日 涼味満点の冷やし麺! 夏のみちのく麺紀行!
  • 博多駅発着/1泊2日  歴史に彩られた萩、津和野をめぐる夏の旅

上野駅発着/1泊2日 山形「冷やしラーメン」、仙台「冷やし中華」 涼味満点の冷やし麺! 夏のみちのく麺紀行! 山形県山形市、宮城県仙台市

日本の夏は暑い! 暑い夏こそ冷やし麺の季節。 1泊2日で東北をめぐる涼味満点のグルメ旅、 各区間ごとの普通運賃合計13,470円のところ 「青春18きっぷ」なら2日分で4,600円なり。 なんと8,870円もおトクに旅が楽しめます!


上野駅からまず最初に乗車するのは東北本線(愛称・宇都宮線)の電車。現在は軽快な走りのE231系近郊タイプが主体になっている。普通車の一部には4人掛けのボックスシートがあり、大きな窓から風景も楽しめる。


奥羽本線・高畠駅は、明治33年(1900)、糠ノ目(ぬかのめ)駅として開業し、平成3年(1991)に改称。モダンな駅舎には温泉施設「太陽館」があり、ちょっと途中下車して湯浴みができる。利用料金は大人300円。


山形名物の「冷やしラーメン」。一見すると普通の温かいラーメンのようだが、実は氷が浮かぶスープの冷たいラーメン。山形の夏祭り「花笠まつり」の花笠にも似た盛り付けに思え、涼味満点、暑い夏こそ食べたい味。


山形新幹線「つばさ」をはじめ、奥羽本線(山形線)、仙山線、左沢(あてらざわ)線が発着する山形駅。観光案内所やホテル、ショッピング施設もあり、霞城公園(山形城跡)にも近い。駅を拠点に市内散策をはじめよう。


仙台が発祥という「冷やし中華」もぜひ味わってみたいもの。麺や具材のスタイルは店によって異なるものの、どれも盛り付けは仙台の夏祭り「仙台七夕まつり」(8月6日~8日)の飾り付けのようだ。


旅の2日目は仙台で過ごす時間もたっぷり。観光派の方は午前中、日本三景の一つ・松島へ出かけてみるのもいいだろう。涼を求め、クルーズ気分で船から眺める松島も最高に美しい。潮風が心地よかった。

旅のMEMO

観光の問合せ
仙台:仙台市総合観光案内所
(JR仙台駅2F)●TEL.022-222-4069
山形:山形市観光案内センター
(JR山形駅内)●TEL.023-647-2266
高畠駅で温泉に浸かり、山形で「冷やしラーメン」を味わう

 熱帯夜にうなされ、夢にまで食べたくなってくる冷やし麺。日本の夏、涼やかな冷やし麺に恋い焦がれる“麺食い”の人も多いのではないだろうか。

 全国津々浦々、様々な冷やし麺がひしめく中、とっておきなのが山形の「冷やしラーメン」。そして、仙台発祥という「冷やし中華」も発祥の地で味わえばおいしさひとしお、特に普通列車や快速列車を乗り継ぐ「青春18きっぷ」の旅ならば、かけた時間の分だけ、なおさらおいしく感じられると思う。

 上野駅7時58分発の快速「ラビット」で宇都宮へ向かい、さらに列車を乗り継ぎ米沢には13時40分着。ここで乗り継ぐ山形行きの電車でまっすぐ山形へ行ってもいいが、2駅先の高畠で途中下車。高畠駅には温泉があり、ちょっと湯に浸かり汗を流して山形へ向かおう。

 山形では当地発祥の「冷やしラーメン」を食べてみたい。これは「冷やし中華」とは違い、一見、普通の温かい醤油ラーメンのよう。ただ、なみなみと注がれたスープは冷たく、氷まで浮かんでいる。初めて食べた時の“衝撃”は今も忘れず、それだけインパクトの強い冷やし麺と言えるだろう。しかし、冷たいスープは味わい深く、暑気払いにうってつけ。まさに最強の冷やし麺といったところ。

 食後、仙山線に乗って仙台に移動し、宿をとる。旅の初日は仙台名物の牛たん焼きで締めくくろう。

仙台発祥という「冷やし中華」は甘く酸っぱい青春の味!

 今やいたるところで食べられる「冷やし中華」。実は杜の都・仙台が発祥といわれている。

 旅の2日目は仙台でたっぷりと時間を取り、グルメ派の方は味めぐり、歴史派の方は伊達政宗公の足跡めぐり、観光派の方は仙台のみならず日本三景・松島へ、それぞれ思い思いの時間を過ごそう。

 そして、忘れてはならないのが、当地の「冷やし中華」。店によって独自の味やスタイルがあるのだろうが、麺と具材の盛り付けは、仙台の夏祭り「七夕まつり」の飾り付けにも似ている。仙台の「七夕まつり」は昭和2年(1927)頃から盛んになったそうだが、「冷やし中華」の盛り付けはこれをヒントに考案されたのかもしれない。

 とがった酸味よりもマイルドな甘みが感じられる「冷やし中華」の味わい。これはまさに“青春の味”といったところ。そういえば、1日目に食べた「冷やしラーメン」の盛り付けも、山形の夏祭り「花笠まつり」の花笠飾りに似ている。

 東北の夏、冷やし麺とともに欠かせない「祭り」が目白押し。仙台七夕まつり(8月6日~8日)、青森ねぶた祭(8月2日~7日)、秋田竿燈まつり(8月3日~6日)、山形花笠まつり(8月5日~7日)の4者を東北四大祭りと呼ぶそうだが、「青春18きっぷ」での旅を考える時、冷やし麺と一緒に夏祭りも組み込めば、鬼に金棒、パーフェクトな旅ができると思う。

旅のスケジュール

  駅名 時間 旅のひとことアドバイス


上野発 7:58 東北本線、宇都宮行き快速「ラビット」
宇都宮着 9:27 乗り換え
宇都宮発 9:34 黒磯行き普通列車
黒磯着 10:25 乗り換え
黒磯発 10:33 郡山行き普通列車
郡山着 11:37 乗り換え
郡山発 11:56 福島行き普通列車
福島着 12:43 乗り換え
福島発 12:54 奥羽本線、米沢行き普通列車
米沢着 13:40 乗り換え
米沢発 13:48 山形行き普通列車
高畠着 13:57 途中下車して、駅にある温泉でのんびり
高畠発 14:58 山形行き普通列車
山形着 15:37 山形名物「冷やしラーメン」を堪能
山形発 17:38 仙山線、仙台行き快速
仙台着 18:59 今宵の宿へ


仙台発 15:02 東北本線、福島行き普通列車
福島着 16:23 乗り換え
福島発 16:28 黒磯行き普通列車
黒磯着 18:33 乗り換え
黒磯発 18:38 宇都宮行き普通列車
宇都宮着 19:27 乗り換え
宇都宮発 19:39 上野行き通勤快速(土曜日・休日は、上野行き快速「ラビット」19:40発)
上野着 21:13 旅の終わり(土曜日・休日も左記時刻着)

「青春18きっぷ」発売30周年スペシャル 30年前(昭和57年)の“青春18旅行” vol.1

昭和57年4月の時刻表で本プラン2日目の行程を再現すると、ほぼ同時刻に出発の場合、仙台15:26発→(直通列車)→黒磯21:28着。黒磯21:38発→宇都宮22:30着。なんとこの先、上野方面への普通列車はなかった。ちなみに仙台12:35発の列車なら当日中に上野(23:36着)に帰れる。普通運賃は4,200円だった。


かつては東北・奥羽本線とも機関車牽引の普通列車が多かった。現在は電車となり速度も向上。ちなみに福島~米沢間は75分ほど要した(昭和57年)が、現在は約45分。写真はED78 901牽引の奥羽本線普通列車。赤岩駅にて。

文・写真:相澤秀仁&京子
※掲載されているデータは平成24年6月22日現在のものです。

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