『トレたび』は、交通新聞社が企画・制作・運営する鉄道・旅行情報満載のウェブマガジンです。
乗るだけで七福神にちなむ旅ができる烏山線。ここの車両の一つ、キハ401009の側面には七福神みんなが車両に乗ったシールがあってとても愉快。一番前で楽しそうな表情の大黒天はもしや「鉄ちゃん」かも?
1979年より烏山線で活躍するキハ40形ディーゼルカー。現在は期間限定で車両の前後に90周年を記念するシールが貼られている。そして、来春、烏山線に最新鋭の車両EV-E301系電車の導入が予定されている
烏山線では1957年(昭和32年)からキハ10系気動車(キハ10形、キハ11形)が使用された。1976年(昭和51年)、宇都宮駅で撮影した烏山線キハ117は、ヘッドライトこそシールドビーム2灯化になっているが往年の風格が感じられた
縁起の良い駅としても有名な大金(おおがね)駅は大黒天がモチーフに。駅横には大金神社もあり、記念に参拝を。また、温泉好きの方には駅から徒歩15分のところに大金温泉があり、こちらで日帰り入浴もできる
烏山線の終点、JR烏山駅。ここ那須烏山市は「そば処」としても知られ、烏山駅周辺はもとより烏山線の沿線でもその味を堪能できる。また、毎年7月下旬には野外歌舞伎で人気の「山あげ祭」が開かれる
宇都宮の老舗餃子店で食べた焼き餃子。パリッとしてモチッとした食感がたまらない。実は他にも水餃子や揚げ餃子も食べて大満足。青春18きっぷのおトクな旅、おみやげには冷凍の宇都宮餃子もおすすめ!
東北本線(愛称:宇都宮線)宝積寺(ほうしゃくじ)駅より東へ分岐していく烏山線。列車の多くは栃木県の県庁所在地、宇都宮駅を発着し、東京(上野駅)からもとても出かけやすい。
烏山線は宝積寺以遠に7つの駅を持ち、宝積寺駅といい途中の大金駅といい、縁起の良い駅があることでも有名。7つの駅には七福神が結びつき、各駅は下野(しもつけ)花岡駅(寿老人)、仁井田駅(布袋尊)、鴻野山(こうのやま)駅(福禄寿)、大金駅(大黒天)、小塙(こばな)駅(恵比寿)、滝駅(弁財天)、烏山駅(毘沙門天)と神々がモチーフに。乗り降り自由な青春18きっぷの旅、ここは各駅を順に訪ね、終点の烏山まで行ってみよう。
分野もいろいろの鉄道趣味。車両の撮影がメインの人を「撮り鉄」、列車に乗る派の人を「乗り鉄」と言うそうだが、各駅で下車する旅はさしずめ「降り鉄」といった感じ。上下の列車をうまく組み合わせれば効率的に各駅へ行けるが、それはそれとして、一駅ずつ順に下車していくプランも鉄道旅行の醍醐味と思う。
90年の歴史を持つ烏山線。1979年(昭和54年)から活躍を始めた現行のキハ40形もさることながら、1957年(昭和32年)から1979年にかけて走ったキハ10系(キハ10形、キハ11形)気動車も烏山線を支えた。当時はディーゼルカーを気動車と普通に呼んでいたが、あの頃、宇都宮駅で撮影したキハ11の表情を眺めてみれば、真面目で親しみのある栃木の県民性そのものみたいだ。
関東地方では烏山線だけで使用のキハ40形。車両の色は烏山線色(緑とクリームのツートンカラー)に加え、キハ40形導入当初の色(首都圏色と呼ばれる朱色5号)、キハ11形のような旧国鉄一般色(朱色4号とクリーム4号のツートンカラー)と3種類。しかも、7月27日(土)には烏山の祭り「山あげ祭」にあわせ、3色の車両すべてを連結した特別編成の列車が宇都宮~烏山間で3往復運転される予定。時刻は宇都宮発が9時18分、12時10分、15時10分で、烏山発が10時59分、13時59分、16時37分。ファンならずとも粋な計らいに心がときめく。
来春、蓄電池駆動電車システムによる最新鋭の車両、EV-E301系電車の導入が予定され、烏山線は今、90年の時を超え大きく進化を遂げようとしている。烏山線の全駅で下車する本プラン、通常運賃5,700円(個別区間の合計)のところ、青春18きっぷなら1日分2,300円だけ。なんと3,400円もおトクに。この夏、節目の年を迎えた烏山線をぜひ訪ねてみよう。
駅名 | 時間 | 旅のひとことアドバイス | |
---|---|---|---|
1 日 目 |
上野 発 | 7:16 | 宇都宮線、普通列車(土休日は7:13発) |
宇都宮 着 | 8:59 | 乗り換え | |
宇都宮 発 | 9:09 | 宇都宮線、普通列車 | |
宝積寺 着 | 9:21 | 乗り換え(烏山線の起点の駅、ちょっと下車してみよう) | |
宝積寺 発 | 9:33 | 烏山線、普通列車 | |
下野花岡 着 | 9:38 | 途中下車&散策 | |
下野花岡 発 | 11:02 | 烏山線、普通列車 | |
仁井田 着 | 11:05 | 途中下車&散策 | |
仁井田 発 | 12:35 | 烏山線、普通列車 | |
鴻野山 着 | 12:40 | 途中下車&散策え | |
鴻野山 発 | 14:10 | 烏山線、普通列車 | |
大金 着 | 14:17 | 途中下車&散策 | |
大金 発 | 15:48 | 烏山線、普通列車 | |
小塙 着 | 15:51 | 途中下車&散策 | |
小塙 発 | 16:59 | 烏山線、普通列車 | |
滝 着 | 17:04 | 途中下車&散策 | |
滝 発 | 18:05 | 烏山線、普通列車 | |
烏山 着 | 18:10 | 烏山線の終着駅に到着! | |
烏山 発 | 18:34 | 烏山線、普通列車 | |
宝積寺 着 | 19:15 | 乗り換え | |
宝積寺 発 | 19:17 | 宇都宮線、普通列車 | |
宇都宮 着 | 19:27 | 名物の宇都宮餃子を食べて帰ろう! | |
宇都宮 発 | 20:44 | 宇都宮線、普通列車(土休日は20:49発) | |
上野 着 | 22:35 | 旅の終わり |
特急列車などに愛称があるのと同じく、駅にも愛称やキャラクターがあるのもいいと思う。親しみが感じられ、旅が一段と楽しくなる。
烏山線では宝積寺以遠にちょうど7つ駅があり、縁起の良い駅もあることなどから、七福神がぴったり。乗るだけで七福神めぐりもできておトクな気分!
七福神がモチーフの烏山線。終点の烏山駅は毘沙門天になっている。各駅にはそれぞれの七福神を描いた案内板があり、また、烏山線を走るキハ40形にもそれぞれ異なる七福神マークがあるのでお見逃しなく
文・写真:相澤秀仁&京子
※掲載されているデータは平成25年7月7日現在のものです。