『トレたび』は、交通新聞社が企画・制作・運営する鉄道・旅行情報満載のウェブマガジンです。
米子駅の「霊番のりば」、境港行きの「目玉おやじ列車」が出発を待っていた。烏山線と同じキハ40形だが、印象はずいぶんと異なる。他に「鬼太郎列車」、「ねこ娘列車」、「ねずみ男列車」など全6種類ある
こちらは『ゲゲゲの鬼太郎』に登場する「ねこ娘」のブロンズ像。境港は港町だけに魚も新鮮なのだろう。なんともいえない表情で魚を食べている。このブロンズ像は思ったより小さいので注意して歩こう
『ゲゲゲの鬼太郎』でどうにも憎めないキャラクターといえば「ねずみ男」。ブロンズ像は大正川にかかる橋にある。すぐそばには名物“妖怪パン”のお店も。おいしいパンを「ねずみ男」に見せながらパチリ!
鳥取産天然生本マグロ。さわやかな味わいの赤身をお刺身でいただく。境港では夏場、本マグロが数多く水揚げされ、今では生の本マグロ水揚量が日本一だとか。この時期、当地にお越しの際はぜひご賞味を
山陰本線を行くキハ47形の普通列車。キハ47形ディーゼルカーもキハ40系グループに属し、正面の顔立ちといい全体の雰囲気といいキハ40形によく似ている。普通列車に乗って景色を眺め、のんびり旅をしよう
旅の途中、名湯・城崎温泉の湯に浸かってみたい。城崎温泉といえば外湯めぐり。なかでも有名な「一の湯」はいかにも温泉地らしい建物で、城崎に来たことが実感できる。一風呂浴びて旅の疲れを洗い流そう
子供の頃、夏といえば、お化けや妖怪の話でぞっと涼しくなった思い出も。そう、夏は妖怪の季節なのかもしれない。妖怪といえば鳥取県の境港。漫画家、水木しげる氏の出身地でもあり、妖怪や『ゲゲゲの鬼太郎』キャラクターたちのユニークな町おこしで知られている。そして、今年は境港市の「水木しげるロード」とJR境線「鬼太郎列車」誕生20周年。7月20日~8月31日に開催の「ゲゲゲのスタンプラリー」もお忘れなく。
さてさて、境線の起点、米子駅も面白い。愛称が「ねずみ男駅」で、境線が発着する0番のりばは「霊番のりば」と呼ばれている。境線を走る「鬼太郎列車」は烏山線と同様、キハ40形を使用し、他に「目玉おやじ列車」、「ねこ娘列車」、「ねずみ男列車」もあって飽きさせない。列車は大半がこれらイラスト列車を使用している。
境線の終点、境港。愛称は鬼太郎駅で駅前から妖怪のブロンズ像が並ぶ。ねこ娘やねずみ男など、おなじみの妖怪たちを見つけながら歩く「水木しげるロード」は愉快で、しばし童心に返ったよう。
境港は日本有数の港町。冬場のカニとともに、アジやサバ、白イカも美味。特に夏場は本マグロが数多く水揚げされ、産地ならではのマグロ料理を味わってみたい。
米子で迎えた朝。2日目は山陰本線を周り、途中、城崎温泉で汗を流して大阪へ帰るプラン。とはいえ米子は山陰地方の交通の中心、プランは様々にアレンジできる。
たとえば、妖怪と気の合う方は、再度、境港へ出かけてみるのもいいし、落ち着いた町並みが好きな方は、白壁の土蔵が美しい倉吉へ、また、観光派の方は鳥取で下車して鳥取砂丘へ行ってみるのもいいだろう。
本プランでは青春18きっぷの旅らしく全駅に停車する普通列車で米子を発つようにしたが、米子8時39分発の快速「とっとりライナー」もあり、こちらなら鳥取には10時25分と普通列車よりも先に着く。その後は列車を乗り継ぎ、城崎温泉駅には13時3分の到着。
外湯めぐりの城崎温泉。駅近くの「さとの湯」(月曜休)をはじめ、有名な「一の湯」(水曜休)などなど、7つある外湯にのんびりと浸かり、旅の疲れを洗い流してすっきりしよう。
大阪発1泊2日の本プラン、運賃は通常12,200円(個別区間の合計)のところ、青春18きっぷなら2日分4,600円でOK。なんと7,600円もおトクに。ただ、1日目に通る相生~岡山間は列車によりこの時期は混雑する場合もあり、着席希望の方は早めに相生駅に到着し並んで待ちたい。
駅名 | 時間 | 旅のひとことアドバイス | |
---|---|---|---|
1 日 目 |
大阪 発 | 7:56 | 新快速(土休日は8:00発、相生まで直通9:29着) |
姫路 着 | 9:03 | 乗り換え | |
姫路 発 | 9:10 | 普通列車 | |
相生 着 | 9:29 | 乗り換え | |
相生 発 | 9:33 | 普通列車 | |
岡山 着 | 10:39 | 伯備線に乗り換え | |
岡山 発 | 11:14 | 普通列車 | |
新見 着 | 12:43 | 乗り換え | |
新見 発 | 13:23 | 普通列車 | |
米子 着 | 15:07 | 乗り換え | |
米子 発 | 15:23 | 境線、普通列車(土休日は15:28発) | |
境港 着 | 16:24 | 妖怪の街、境港を散策(土休日は16:13着) | |
境港 発 | 19:04 | 境線、普通列車(土休日は19:21発) | |
米子 着 | 19:51 | この日は米子泊 (土休日は20:07着) | |
2 日 目 |
米子 発 | 8:10 | 山陰本線、普通列車 |
鳥取 着 | 11:08 | 乗り換え | |
鳥取 発 | 11:10 | 山陰本線、普通列車(土休日は快速列車11:20発) | |
浜坂 着 | 11:53 | 乗り換え(土休日は12:02着) | |
浜坂 発 | 12:06 | 山陰本線、快速列車 | |
城崎温泉 着 | 13:03 | ランチ&温泉で汗を流しすっきり! | |
城崎温泉 発 | 17:05 | 山陰本線、普通列車 | |
豊岡 着 | 17:17 | 乗り換え | |
豊岡 発 | 17:33 | 山陰本線、普通列車 | |
福知山 着 | 18:49 | 乗り換え | |
福知山 発 | 18:58 | 福知山線、丹波路快速 | |
大阪 着 | 21:19 | 旅の終わり(土休日は21:21着) |
烏山線の駅が七福神なら境線は全国の妖怪たちが愛称になっている。
境港駅(鬼太郎駅)、米子駅(ねずみ男駅)をはじめ、博労町(ばくろうまち)駅は「コロポックル駅」と北海道っぽく、馬場崎町駅は「キジムナー駅」と沖縄っぽい。境線は停車する駅ごとに駅名標をじっくり眺める旅が面白い。
各駅に妖怪の愛称がある境線。ふらっと途中下車してみた余子(あまりこ)駅は、なんと「こなきじじい駅」だった。妖怪の解説入り駅名標もそれは味わい深く、ついつい魅せられて記念写真をパチリ
写真家、パズル作家。日本のすべての都道府県を夫婦で4巡し、「青春18きっぷ」歴は19年めに。
著書(夫婦の共著)は写真集『猫ヶ島』、『わらいねこ』をはじめ、『旅してでも食べたい 地もの旬もの回転寿司』など。
ホームページ http://www.aizawa22.com
文・写真:相澤秀仁&京子
※掲載されているデータは平成25年7月7日現在のものです。