『トレたび』は、交通新聞社が企画・制作・運営する鉄道・旅行情報満載のウェブマガジンです。
郡山駅に停車中の磐越西線、普通列車。会津若松までの間、磐梯熱海駅を通り、川桁駅~猪苗代駅間では磐梯山の絶景が車窓を飾る。もし気が向けば、いきなり下車してのぶらり散歩も楽しい
会津若松駅前で観光客を出迎えてくれる大きな「赤べこ」さん。元は郷土玩具で、牛がモチーフの「赤べこ」。よく見ればなかなか表情が愛らしい。ここはぜひとも記念写真を。一人旅の方は自分撮りでパチリ
狭くて広い日本ではカツ丼も各地でさまざま。会津若松でカツ丼といえば、ずばり「ソースカツ丼」。東京で一般的な卵とじのカツ丼とは見た目も大きく異なり、食べれば冬を乗り切るパワーがみなぎる感じ
歴史を感じさせる喜多方の蔵の窓。蔵は防火の役割のみならず、窓の造りにしても、屋根の幾何学模様にしても美しく、富の象徴だったことがうかがえる。蔵に引き寄せられ、細部までじっくりと眺めたい
会津若松駅で発車を待つ快速「あいづライナー6号」。快適な485系特急用車両を使用し、「青春18きっぷ」であれば別途料金不要で自由席に乗車できる。会津ぶらり旅の帰路は、ぜひこの列車を選びたい
485系特急用車両を使用する快速「あいづライナー」は座席も楽ちんのクロスシート。もちろんリクライニングでき、一段と快適な旅ができる。「あいづライナー」は特急気分が味わえる“おトク”な列車だ
東京から遠そうな感じがする会津地方。しかし、『JR時刻表』をめくれば、意外と近いことを発見する。普通列車や快速列車の利用で、乗り換え時間を含め片道5時間ほどで到着。かつての在来線特急「あいづ」は、「青春18きっぷ」発売開始の頃、上野~会津若松間を4時間弱で結んでいたから、最近の普通列車や快速列車は本当に速くなったものだ。日帰りでも十分に楽しめ、冬の鉄道ぶらり旅におすすめだ。
上野発の快速「ラビット」は関東平野を快走し、宇都宮で黒磯行き普通列車に接続。以降、列車を乗り継ぎ、郡山からは、いよいよ磐越西線へ向かう。
さてこの磐越西線、郡山を11時43分に出発した列車は、3つ目の停車駅、磐梯熱海駅に11時59分に到着する。磐梯熱海といえば名湯で名高い磐梯熱海温泉だ。泉質は単純泉や単純硫化水素泉で、駅のすぐそばから足湯(無料)や日帰り入浴のできる温泉宿がある。「美人の湯」として知られる磐梯熱海温泉。もし気が向けば、いきなりのぶらり途中下車を。湯めぐりして温泉を堪能し、お帰りは磐梯熱海駅18時1分発の快速「あいづライナー6号」が本プランで利用する列車だ。
磐梯熱海の温泉街を車窓に眺め、川桁駅(12時23分発)を出発すると、ほどなく右側にご注目を。天気に恵まれれば、会津のシンボル、磐梯山がその雄姿を見せてくれる。
温泉や絶景スポットを駆け抜け、磐越西線の電車は会津地方の城下町、会津若松駅に到着する。鶴ヶ城(若松城)、白虎隊、赤べこ(牛の郷土玩具)で知られる会津若松では、ぜひランチに名物の「ソースカツ丼」を食べてみよう!
会津若松の「ソースカツ丼」は、ホカホカごはんに千切りキャベツを敷き、甘めのソースをからめたトンカツをのせたもの。起源は大正時代ともいわれる当地の「ソースカツ丼」、カツ丼は“勝つ丼”とゲン担ぎにもなり、ここはお腹いっぱい味わって「冬の寒さに勝つ丼」としたいところだ。
会津地方をめぐる冬の鉄道ぶらり旅。本プランでは食後、蔵の町・喜多方へ行ってプチ散歩を“予定”。ただ、ぶらり旅ゆえ、会津若松でこのままゆる~く時間を過ごし、市内観光をしてみるのも楽しい。また、冬の寒さに勝つには絶対にラーメン!という方は、会津若松をスルーして直接、喜多方へ。喜多方にはあまりにも有名な「喜多方ラーメン」が待っている。
喜多方直行プランに変更の場合、郡山からの列車が会津若松に到着後、喜多方方面への列車で13時6分発のものがあり、それに乗車すれば喜多方には13時23分に到着。これなら時間もたっぷり、ラーメンも満喫できるだろう。
行く先々で気ままにプランを変えるのも鉄道ぶらり旅ならでは。午(うま)年の来年、ぶらり旅と“ウマ”が合う『JR時刻表』を旅の“友”にぜひお出かけを。
駅名 | 時間 | 旅のひとことアドバイス | |
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1日目 | 上野 発 | 7:57 | 東北本線、快速「ラビット」(土休日は7:58発) |
宇都宮 着 | 9:27 | 乗り換え | |
宇都宮 発 | 9:34 | 東北本線、普通列車 | |
黒磯 着 | 10:25 | 乗り換え | |
黒磯 発 | 10:33 | 東北本線、普通列車 | |
郡山 着 | 11:37 | 乗り換え | |
郡山 発 | 11:43 | 磐越西線、普通列車 | |
会津若松 着 | 13:00 | ランチに名物「ソースカツ丼」を | |
会津若松 発 | 14:33 | 磐越西線、普通列車 | |
喜多方 着 | 14:49 | 蔵の町をプチさんぽ | |
喜多方 発 | 15:51 | 磐越西線、普通列車 | |
会津若松 着 | 16:13 | 乗り換え | |
会津若松 発 | 17:14 | 磐越西線、快速「あいづライナー6号」(自由席) | |
郡山 着 | 18:13 | 乗り換え | |
郡山 発 | 18:21 | 東北本線、普通列車 | |
黒磯 着 | 19:23 | 乗り換え | |
黒磯 発 | 19:31 | 東北本線、普通列車 | |
宇都宮 着 | 20:21 | 乗り換え | |
宇都宮 発 | 20:24 | 東北本線、普通列車(土休日は快速「ラビット」20:37発) | |
上野 着 | 22:08 | 旅の終わり |
JR北海道では、古くは明治27年(1894)に厚別駅(函館本線)などが開業し、昭和5年(1930)には木古内駅(江差線)や、トラピスト修道院の最寄り駅、渡島当別(おしまとうべつ)駅(同)が開業。
JR東日本では、明治27年に東京の四ツ谷駅や錦糸町駅、また、千葉駅や市川駅、弘前駅なども開業。新しいところでは平成2年(1990)開業の新幹線駅、ガーラ湯沢、くりこま高原も午年生まれの駅となる。
春ともなればお城の桜が美しい弘前。その玄関、弘前駅も午年生まれの駅の一つ。明治27年12月1日に開業し、来年は120歳となる。現在は4代目駅舎の弘前駅、近代的で観光の基点にもなっている。
文・写真:相澤秀仁&京子
※掲載されているデータは2013年12月2日現在のものです。