『トレたび』は、交通新聞社が企画・制作・運営する鉄道・旅行情報満載のウェブマガジンです。
大阪からの青春18きっぷ旅。やはり便利なのが新快速。写真は大阪から米原方面へ向かう新鋭225系電車。車内は2人掛けの転換クロスシートが並び、ゆったり気分で旅を始められる
高山本線では、キハ48形などキハ40系ディーゼルカーも活躍中。国鉄時代に製造された形式の車両ゆえ、旅の情緒もたっぷりだ
駅から歩いて行ける高山の上三之町・上二之町・上一之町は「さんまち通り」と呼ばれ、和の情緒も満点。食べ歩きが楽しいスポット
高山といえば「飛騨牛」。お店の軒先で食べることもできる。写真は「飛騨牛」を串に刺して焼いた串焼き。香ばしい匂いに誘われ、ぐいっと完食!
高山の食べ歩きで、ぜひおすすめなのが「飛騨牛の握り」。上品で繊細な肉の味わい。さまざまな飛騨牛グルメをハシゴできる
各地でコロッケを味わうのも旅ならでは。高山では贅沢にも「飛騨牛のコロッケ」を“〆”にどうぞ。「飛騨牛」パワーで夏を乗り切る元気が湧いてくる!
大阪発着、飛騨高山への青春18きっぷ旅、まず最初に乗車する列車は東海道・山陽本線の便利な新快速から。2人掛けの転換クロスシートに座ってみれば、もう上々の旅気分。夏色の近江路を車窓に眺め、乗り換え駅の米原へ向かう。
米原駅は、ホームの立ち食いそば店が青春18きっぷのポスター(1995年春)に登場したところ。青春18きっぷのファンの方ならよくご存じのはずだ。食いしん坊の方は大阪出発を早め、米原駅のそばやうどんで腹ごしらえを。
再び東海道本線の列車に乗車、天下分け目の戦いがあった関ケ原を越えて岐阜へ。ここから先はいよいよ高山本線に入り、ディーゼルカーの旅が始まる。電車とは違うディーゼル特有の走り、音、乗り心地に旅気分がより高まってくる。
美濃太田で列車を乗り継げば、高山までは2時間とちょっと。ここからは観光路線、高山本線らしい風光明媚な区間を走る。飛騨川が現れ、飛騨金山駅~焼石駅のあたりの風景は、同じく青春18きっぷのポスター(2010年冬ほか)に登場したほど。午後の眠気を吹き飛ばす壮観な景色をお見逃しなく。
飛騨の小京都、高山。春と秋の高山祭は特に知られているが、町を流れる宮川沿いの緑に力がみなぎる夏の風景もいい。古い町並みがしっとりとした和の情緒を誘い、いかにも日本的なたたずまい。ここでは名産「飛騨牛」の食べ歩きが楽しい。がっつりと味わって夏のスタミナ作りに励もう!
山国、飛騨地方の盆地にあって、標高570mという高山。夏は昼間こそ暑いものの、朝晩は涼やかな風が吹く。夏の夜、宮川の赤い中橋周辺がライトアップ(2014年は7月5日~8月17日)され、こちらは宿泊してこそ見ることができる。
そして、飛騨高山といえば日本三大朝市のひとつに数えられる朝市も有名。2日目の朝、もし早起きができれば、宮川沿いで江戸時代から脈々と続く朝市をのぞいてみたい。
飛騨地方のおみやげを買い、「飛騨牛」もたっぷりと味わい、そろそろ高山を離れる時間に。大阪への帰路も、往路と同じではちょっとつまらない。乗り降り自由な青春18きっぷの旅だから、さらに高山本線を北上して富山に出て、ぐるり日本海ルートで大阪へ帰ってみよう。
再び高山本線を走るディーゼルカーに乗車、途中の猪谷(いのたに)で列車を乗り継ぎ富山着。富山では次の北陸本線の列車まで接続時間が約50分あり、注目の「富山ブラック」ことブラックラーメンを駅近くで味わえる。
富山から先、金沢で列車を乗り継ぎ敦賀(つるが)、さらに湖西(こせい)線の列車に乗って山科(やましな)へ。そして、フィナーレを飾る列車もやはり新快速。快適なシートで大阪駅に到着する。
もっと高山に滞在したい時はコースを変更。往路の逆ルートで、高山14時48分発の上り普通列車に乗車すれば、美濃太田、岐阜、米原を経由して、大阪には20時42分の帰着となる。
米原駅が舞台となった青春18きっぷのポスターは、キャッチコピーが「今しかできない旅がある」だった。高山本線では国鉄時代に製造されたキハ40系ディーゼルカーの旅も、やがて第三セクターに移行する北陸本線一部区間の旅もお楽しみを!
駅名 | 時間 | 旅のひとことアドバイス | |
---|---|---|---|
1 日 目 |
大阪 発 | 8:59 | 東海道・山陽本線新快速(土休日は9:00発) |
米原 着 | 10:24 | 乗り換え(土休日は10:25着) | |
米原 発 | 10:30 | 東海道本線普通列車(土休日は10:30発の新快速で岐阜11:22着) | |
大垣 着 | 11:05 | 乗り換え | |
大垣 発 | 11:26 | 東海道本線快速 | |
岐阜 着 | 11:37 | 乗り換え | |
岐阜 発 | 11:45 | 高山本線普通列車 | |
美濃太田 着 | 12:18 | 乗り換え(土休日は12:19着) | |
美濃太田 発 | 12:40 | 高山本線普通列車 | |
高山 着 | 15:25 | この日は高山泊 | |
2 日 目 |
|||
高山 発 | 12:00 | 高山本線普通列車 | |
猪谷 着 | 13:06 | 乗り換え | |
猪谷 発 | 13:43 | 高山本線普通列車 | |
富山 着 | 14:33 | 乗り換え | |
富山 発 | 15:24 | 北陸本線普通列車 | |
金沢 着 | 16:25 | 乗り換え | |
金沢 発 | 16:37 | 北陸本線普通列車 | |
敦賀 着 | 19:07 | 乗り換え | |
敦賀 発 | 19:18 | 北陸本線・湖西線普通列車 | |
山科 着 | 20:59 | 乗り換え | |
山科 発 | 21:07 | 東海道・山陽本線新快速(土休日は21:22発) | |
大阪 着 | 21:42 | 旅の終わり(土休日は21:57着) |
飛騨高山では、名産の「飛騨牛」を様々なバリエーションで堪能したい。なかでも、朴(ほお)の葉にのせて焼く「朴葉味噌(ほおばみそ)焼き」はおすすめのご当地グルメ。「しゃぶしゃぶ」もまた、さっぱりとして夏向きの味。
そして、飛騨地方の麺どころとしても有名な高山。飛騨そばや高山ラーメンも味わってみたい。
高山市内の宿で夕食に味わった「飛騨牛しゃぶしゃぶ」。本当にさまざまな食べ方で飛騨牛を堪能できる
写真家、パズル作家。日本のすべての都道府県を夫婦で4巡し、「青春18きっぷ」歴は19年目に。
著書(夫婦の共著)は写真集『猫ヶ島』、『わらいねこ』をはじめ、『旅してでも食べたい 地もの旬もの回転寿司』など。
夫婦旅ブログ http://fullmoon.aizawa22.com
文・写真:相澤秀仁&京子
※掲載されているデータは2014年6月現在のものです。