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夏をおトクに 列車でGO!GO!続・暑中“乗り鉄”餃子旅!青春18きっぷで夏を満喫

  • 東京駅発着/日帰り|熱き「浜松餃子」を食す熱き青春の「鉄旅」
  • 大阪駅発着/1泊2日|宇都宮で味わう本場の「宇都宮餃子」

東京駅発着/日帰り|夏こそ食べたい餃子を求め東海道本線を西へ|熱き「浜松餃子」を食す熱き青春の「鉄旅」|静岡県浜松市

浜名湖名物のウナギで知られる浜松は最近、「浜松餃子」で名を上げる注目の餃子タウン。夏に負けないパワーみなぎる餃子は青春の味、おトクな旅の友、青春18きっぷとよく似合う。列車を乗り継ぎ、夏のグルメ旅に出かけよう!


東京駅では昨年夏以来、冷房効果を高めるため、出発ホームに停車中の東海道線のドアは“セルフ開閉スタイル”に。ドア横のボタンを押して開閉する。閉める際は周囲にご注意を


熱海駅停車中のJR東海の電車。出発すると間もなく、進行方向左側に相模湾や初島が見え、丹那(たんな)トンネルへ。全長7804m、昭和9年(1934)に開通したこのトンネルにより、東海道本線の旅は飛躍的に便利になった


車窓は富士駅を過ぎて富士川を渡るところ。写真は河口側だが東海道新幹線の富士川橋梁も同じ方向で見える。静岡横断の旅は、名の知れた川をいくつも渡るのが楽しみ


戦前型電気機関車の雄、EF57。写真の1号機は昭和15年(1940)の製造で、同26年(1951)からは浜松機関区に配属。その9年後、宇都宮運転所に転属した


きれいな“円形盛り”で供された浜松餃子。中央には茹でたモヤシを添えるのも特徴。見た目もおいしそうな浜松餃子だが、見ようによっては“車輪”にも見える


これが横浜名物「サンマー麺」。漢字では「生馬麺」などと書き、とろみをつけた炒め野菜を盛った優しい味わい。名前からサンマ(秋刀魚)を連想してしまうが、もちろんサンマは入っていない

旅のMEMO

観光の問合せ
浜松:浜松市観光インフォメーションセンター(JR浜松駅構内)
●TEL. 053-452-1634
宇都宮と浜松。日本の2大餃子タウンには、鉄道がとりもつ“縁”もある

 中国大陸からはるばる日本へ伝来したといわれる餃子(ギョーザ)。旅した餃子も今では日本各地に根付き、食べられない町はないほどに。手頃な値段といいパワフルな味わいといい、すっかり日本の人気グルメとなった餃子。暑さに負けそうになる夏こそ、熱き餃子を食べる旅へ!

 東京駅出発は朝のほどよい時間で、東海道本線8時36分発の熱海行きに乗車しよう。途中の戸塚駅は9時15分の発車となり、こちらも有名な餃子タウン、宇都宮から来る湘南新宿ライン経由の列車からも乗り換え可能だ。平日であれば宇都宮駅6時31分発の列車でばっちり乗り換えできるので、宇都宮在住の方もライバルとして名をあげる「浜松餃子」を味わう旅へ出かけませんか?

 宇都宮と浜松。餃子タウンの両雄(りょうゆう)には、鉄道がとりもつ縁も。国鉄時代、浜松には機関区が、宇都宮には同等の運転所が置かれ、戦前型電気機関車の花形であったEF57が双方で活躍した。浜松機関区に在籍当時は東海道本線の特急「つばめ」等を牽引(けんいん)し、後に東北本線の列車牽引にあたって宇都宮へ転属。宇都宮も浜松も、餃子文化が本格的に花開いたのは戦後になってからといわれ、EF57形電気機関車の活躍時期とよく符合している。

幾多の川を渡って浜松へ。野菜がメイン、盛り付けも美しい「浜松餃子」を堪能!

 さて、東海道本線の旅、西へ東へと列車で旅する際の注意点が一つ。もし着席の旅を希望する場合、乗車した列車の終点で降りて次の列車に乗り換えるスタイルでは、うまく座れないことも。なぜなら、次の列車は乗り換える駅が始発とは限らないからだ。この青春18きっぷプランでも、熱海発の島田行き列車に乗車するが、島田駅で降りて次の浜松行きを待つと、着席できない可能性もある。そのため、次の列車の始発駅である手前の静岡で下車し、乗り換えるのがベターな選択だ。

 かつては旅人が歩いて往来した東海道。幾多の川が難所となったが、静岡県内では東から富士川、安倍川、大井川、天竜川と渡って浜松へ。普通列車の旅だから、各々の川の流れまでじっくりと眺められる。

 古くから「暴れ川」の異名を持つ天竜川を渡れば浜松はもうすぐ。静岡県内ナンバーワンの人口(約80万人)を誇る浜松市は、浜名湖の名産・ウナギで超有名。だが浜松は、いつのまにか日本有数の餃子タウンとしても名乗りを上げている。夏バテにはウナギも効果的ながら、庶民的な値段でパワーチャージできる餃子も魅力的。浜松の人々が愛してやまない「浜松餃子」の具材は野菜がメインだ。モヤシを中心に、花形に盛り付けた見た目も美しい。食欲全開の夏、できれば数店舗をハシゴして味わってみよう。

 「浜松餃子」を堪能しての帰路、ただまっすぐ帰っては少々つまらない。横浜で途中下車して夕食を。中華街を擁す港町・横浜では、やはり夏にこそ食べたい逸品が待っている。夏はサマー(summer)だから、スペルを見ればサンマーとも読める。ここは駅近くで名物「サンマー麺」を食べてみよう。とろみのある野菜ラーメンといった味わいの「サンマー麺」、優しい味わいにホッと一息でき、餃子旅の締めくくりにいいですよ!

旅のスケジュール

  駅名 時間 旅のひとことアドバイス


東京 発 8:36 東海道本線普通
(宇都宮 発) 6:31 湘南新宿ライン普通(平日運転)で戸塚へ
(土休日は6:14発上野行き等に乗車し、東京駅へ移動すれば上記列車に乗車可能)
(戸塚 着) 9:13 東京発の東海道本線普通列車に同一ホーム上で乗り換え可能
(戸塚 発) 9:15 東海道本線普通
熱海 着 10:27 乗り換え
熱海 発 10:35 東海道本線普通
静岡 着 11:50 乗り換え
静岡 発 12:03 東海道本線普通
浜松 着 13:15 浜松に到着! 「浜松餃子」をハシゴして食べよう!
浜松 発 15:28 東海道本線普通
静岡 着 16:40 乗り換え
静岡 発 17:00 東海道本線普通
熱海 着 18:14 乗り換え
熱海 発 18:23 東海道本線普通
横浜 着 19:44 途中下車して夕食に「サンマー麺」を味わう
横浜 発 20:50 東海道本線普通
(横浜 発) 20:49 湘南新宿ライン普通
(宇都宮 着) 23:20 宇都宮発の旅の終わり
東京 着 21:16 東京発の旅の終わり

ご当地餃子あれこれ(1) 宇都宮餃子

今では有名な餃子タウンとして名を馳せる栃木県の県都、宇都宮。戦前、ここに置かれた陸軍第14師団が満州を衛戍地(えいじゅち)としたことから、帰国した将兵によって餃子が持ち込まれ、それが起源になったと伝えられる。

宇都宮の餃子はいろいろな食べ方で好まれる。焼き餃子をメインに、水餃子や揚げ餃子、スープ餃子等がある。中身の具材もさまざま。言ってみれば、宇都宮は“餃子のパラダイス”だ。


暑い夏、ご飯がすすむおかずといえば、餃子! 宇都宮餃子(写真)にはニンニクやニラも入っており、夏のスタミナ補給にもってこい。

文・写真:相澤秀仁&京子
※掲載されているデータは2014年7月現在のものです。

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