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列車に乗って 冬も元気に! 青春18きっぷで行こう ゆったり鉄道グルメ旅

  • 東京駅発着/1泊2日 三河の名湯に浸かって「ぼたん鍋」を味わう旅
  • 大阪駅発着/1泊2日 あいの風が香る名物「たら汁」を食す冬紀行

大阪駅発着/1泊2日|越中宮崎へ いよいよ節目の年を迎える北陸本線で行こう|あいの風が香る名物「たら汁」を食す冬紀行|越中宮崎(富山県下新川郡朝日町)、富山(富山県富山市)

来春、大きな変革期を迎える北陸地方の鉄道。北陸新幹線、長野~金沢間が営業運転を開始、並行在来線は第三セクター線へ移行の予定に。北陸本線の一部区間にとってはJR線最後の冬、温かい鍋料理を求め、節目の旅に出かけよう。


北陸本線で活躍するスマートな顔立ちのJR西日本521系交直流近郊形電車。国鉄時代に造られた古い電車との置き換えも進み、現在ではこの地域を走る近郊形電車の主役、文字通りの“顔”となった


直江津方面へ向けて富山駅を出発する北陸本線普通列車。国鉄時代の電車で、青一色の姿になってもなお味がある。富山から越中宮崎へは普通列車で50分ほど。越中宮崎では名物「たら汁」が待っている


砂浜ではなく、丸っこい小石が広がっている越中宮崎の「ヒスイ海岸」。小石の中にはヒスイの原石が含まれているといわれ、手のひらにのせた小石を、まじまじと見つめてしまうひと時も楽しいもの


越中宮崎の「たら汁」は郷土料理として有名になり、付近を走る国道は「たら汁街道」と呼ばれるほど。冬の北陸路の旅でぜひ味わってみたい「たら汁」。越中宮崎駅近くにあるお好みの店でどうぞ


かつての富山港線を引き継いだ富山ライトレールの電車。2車体連接タイプのモダンな低床式路面電車で、愛称は「ポートラム」。地域交通の新時代を実感しつつ、北前船で栄えた岩瀬浜まで行ってみよう


富山で食べた「ブラックラーメン」。まずはスープの黒さに驚き、食べてみれば意外とすっきりした味でまたまたびっくり。しょう油色の濃さといい太めの麺といい、富山ならではのパワフルなラーメン

旅のMEMO

観光の問合せ
越中宮崎:朝日町観光協会 ● TEL.0765-83-2280
富山:とやま観光案内所(JR富山駅構内) ● TEL.076-432-9751
北陸本線の列車を乗り継ぎ、富山県最東のJR駅、越中宮崎へ

 2015年3月14日に開業する北陸新幹線の長野~金沢間。これにともない並行在来線がJR線から第三セクター線に移行する。北陸本線では直江津~金沢間がJR線から分離され、えちごトキめき鉄道(市振~直江津間)、あいの風とやま鉄道(倶利伽羅~市振間)、IRいしかわ鉄道(倶利伽羅~金沢間)となる。この区間の北陸本線にとって、いわばJR線最後の冬。今一度、車窓風景を楽しみ、沿線を旅してみたい。

 大阪から北陸方面へ向かう時、琵琶湖の西岸を走る湖西線と東岸を走る北陸本線、この2つのルートが利用でき、本プランのように、往路、復路でルートを変えてみるのもいいだろう。

 大阪から列車を乗り継ぎ、新幹線で盛り上がる金沢へ。ここで軽くランチをとって富山へ向かう。ところどころに北陸新幹線の高架を眺め、古戦場としても知られる倶利伽羅峠をトンネルで抜け、神通川を渡れば間もなく富山だ。列車をさらに乗り継ぎ、蜃気楼で有名な魚津を過ぎ、黒部川を越え、ほどなく目的地の越中宮崎に到着する。

 富山県内で最も東のJR駅、越中宮崎。次の市振との間が新潟県との県境になっており、静かな無人駅を出ればすぐに日本海の浜辺へと続く。ヒスイの原石が拾えることからヒスイ海岸とも呼ばれ、「日本の渚・百選」にも選定。この越中宮崎、当地にはぜひ味わってみたい郷土料理がある。

越中宮崎で「たら汁」、富山で「ブラックラーメン」を堪能

 越中宮崎の郷土料理といえば「たら汁」。漁に出た男衆のため、浜で待つ女房が愛情いっぱいにこしらえたのが始まりという。新鮮なタラをぶつ切りにし、白子も肝も入れた味噌仕立ての料理は素朴ながらも味わい濃厚。由来を聞けばなおのこと心まで温かくなってくる。越中宮崎では「たら汁」を供す店が多く、「たら汁街道」の名がつくほど。当地で「たら汁」を“たらふく”味わってみよう。

 本プランでは宿泊地は富山市内としたが、湯めぐり派の方であれば、魚津エリアの金太郎温泉や北山鉱泉などもおすすめ。宿によっては一人旅の宿泊プランもある。

 古くから製薬業で栄えてきた富山は、今、路面電車の活用でも先駆的な存在になっている。旅の2日目は午前中のフリータイム、ぜひ富山ライトレールなど路面電車に乗って小さな旅に出かけたい。特に、かつての富山港線を引き継いだ富山ライトレールがモダンな雰囲気。終点の岩瀬浜は北前船で栄えた街並みが残り、ぶらり散歩にも向いている。

 大阪へ戻る前、富山でスタミナ満点のラーメンを食べておこう。白エビが名物の富山だが、しかし、ラーメンはなぜか黒。富山ブラックといった「ブラックラーメン」が全国的にも知名度上昇中。駅周辺でも食べられ、驚愕のスープとご対面を。そして、想像以上にすっきりした味わいを体感してほしい。

 来春にはJR線から第三セクター線となる北陸本線一部区間。JR線時代の光景を心に刻み、米原経由で大阪へ帰ろう。

旅のスケジュール

  駅名 時間 旅のひとことアドバイス


大阪 発 6:18 東海道本線 快速 (土休日は6:21発、快速)
京都 着 6:51 乗り換え(土休日は6:54着)
京都 発 6:59 東海道本線・湖西線 普通
近江今津 着 8:03 乗り換え
近江今津 発 8:13 湖西線・北陸本線 普通
福井 着 9:44 乗り換え
福井 発 9:48 北陸本線 普通
金沢 着 11:25 乗り換え&ランチ
金沢 発 12:10 北陸本線 普通
富山 着 13:11 乗り換え
富山 発 13:17 北陸本線 普通
越中宮崎 着 14:08 名物の「たら汁」を堪能し、ヒスイ海岸を散策
越中宮崎 発 16:46 北陸本線 普通
富山 着 17:38 この日は富山泊


富山 発 13:49 北陸本線 普通
金沢 着 14:52 乗り換え
金沢 発 15:00 北陸本線 普通
敦賀 着 17:36 乗り換え
敦賀 発 17:49 北陸・東海道本線 新快速
大阪 着 20:12 旅の終わり

路面電車の走る街(2) 富山

富山ライトレールに注目が集まる富山は、その誕生以前からずっと路面電車が走っている街。路面電車は1913年(大正2年)9月1日に富山電気軌道として開業し、現在は富山地方鉄道が運営している。

富山は路面電車の有用性をよく知る街だけに、いったん消滅した環状線区間を「富山都心線」として2009年(平成21年)12月23日に“復活”させ、さらに便利になった。


富山駅前で見かけたモダンな低床式路面電車は、富山地方鉄道9000形電車、愛称「CENTRAM(セントラム)」。富山市内中心部を走る環状線の電車で、2009年12月23日の環状線開業日より営業運転を始めた

● 旅人(筆者)紹介 相澤秀仁&相澤京子

写真家、パズル作家。日本のすべての都道府県を夫婦で4巡し、「青春18きっぷ」歴は19年目に。
著書(夫婦の共著)は写真集『猫ヶ島』、『わらいねこ』をはじめ、『旅してでも食べたい 地もの旬もの回転寿司』など。
夫婦旅ブログ http://fullmoon.aizawa22.com

文・写真:相澤秀仁&京子
※掲載されているデータは2014年11月現在のものです。



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