『トレたび』は、交通新聞社が企画・制作・運営する鉄道・旅行情報満載のウェブマガジンです。
便利な新快速電車がネットワークを広げる関西エリア。車内は二人掛けの転換クロスシートが並び、青春18きっぷの旅人にも好評だ。大阪から下呂温泉へ行く旅では、米原行き新快速がトップランナーに
車窓風景が美しい高山本線。列車は美濃太田を出発後、上麻生駅あたりから飛騨木曽川国定公園に指定されている飛水峡(ひすいきょう)にさしかかる。進行方向右側、飛騨川の渓谷美をお見逃しなく
まじまじと見れば見るほど面白い「げろ」という地名。地名の由来ははるか奈良時代までさかのぼり、当時の地名、下留(しものとまり)がやがて「げる」と音読みされ、いつしか「げろ」に転じたそうだ
下呂駅から歩き始めてすぐ、温泉街が広がる飛騨川に出る。近くには下呂温泉のシンボル「噴泉池」(源泉の露天風呂)があって、無料で楽しめる。なお、利用の際は男女ともに水着の着用がルールに
下呂温泉の名物グルメといえば「トマト丼」。初めて聞いた時、ご飯にトマトが盛られただけの丼料理を想像してしまったが、実際は地元産のトマトと同じく名産の飛騨牛を合わせたスタミナ満点の料理だ
各所に無料の足湯が設置されている下呂温泉。温泉街の散策など、ちょっとした時に利用してみたい。泉質はアルカリ性単純温泉という下呂温泉。優しい感触の湯に浸れば、旅の疲れもどこかに消えてゆく
まるでサウナのような暑さと言う人もいる大阪の夏。どこか涼しげなところにリゾート気分で行ってみたくなってくる。そうそう、できれば温泉もあって、日帰りも可能で、しかもおトクな旅がいい。『JR時刻表』の地図ページで目に留まった岐阜県、下呂温泉。ここは絶好の旅先だろう。
大阪駅から下呂駅までの乗車距離は250km弱。関西圏では便利な新快速電車が走っており、これを活用すれば快適な旅ができる。運賃はというと通常片道4,430円。青春18きっぷが1回(日、人)あたり2,370円として、日帰りなら超おトクな旅ができる。
また、現地で宿泊した場合は青春18きっぷは行きと帰りで2回(日、人)分となるが、それでもまだまだおトクだ。連続した日程の旅も、飛び飛びの日程の旅も自由自在な青春18きっぷの特徴を活かし、日帰りから数日の滞在まで、旅程はお好みでアレンジしてほしい。
冷房が心地よい新快速電車で米原へ。さらに関ヶ原を越え、大垣を経て岐阜へ。ここからはいよいよ高山本線、ディーゼル列車の旅となる。
風光明媚な車窓風景で知られる高山本線。ここを走る普通列車には、これまで国鉄型一般形気動車の代表的存在、キハ40系も充当されていたが、このほど新鋭キハ25形などJR型に一新。青春18きっぷでの高山本線の旅も新時代となった。
日本三名泉に数えられる名湯、下呂温泉。温泉街は下呂駅のすぐそばから広がり、青春18きっぷの鉄道旅行と相性もぴったり。駅から遠い温泉の場合、バス代などの出費もかなりの金額になってしまうが、駅から歩いて行ける温泉は、お肌のみならずお財布にも優しい。
さてその下呂温泉。標高は400mほどあり、夏は日中こそ暑いものの、朝晩は温泉街を流れる飛騨川の清流から涼風がそよぐ。宿泊施設も多くあって、宿ごとにいろいろなプランを用意。
なかでも、青春18きっぷ旅で特におすすめしたいのが「日帰り入浴」。2名以上であれば一般客室を利用できるプランもあり、露天風呂に浸ってゆったりしよう。宿によっては貸切風呂が利用できるところもあって、青春18きっぷで交通費がおトクになった分、プチ贅沢だって楽しめる。
お目当ての温泉に向かう前、下呂温泉のご当地グルメで腹ごしらえを。夏といえばトマトがおいしい季節。ここはぜひ、名物のトマト丼を。地元産トマトに飛騨牛などを合わせた栄養満点の一杯で、夏のスタミナ補給にもうってつけだ。
下呂温泉でのんびりすれば、日帰りをしたくなくなることも。そんな時は1泊2泊とお気に召すまま滞在を。青春18きっぷなら旅程の変更も思いのまま。飛騨川の川風に吹かれ、避暑よろしく温泉リゾートを満喫しよう!
駅名 | 時間 | 旅のひとことアドバイス | |
---|---|---|---|
1 日 目 |
大阪 発 | 6:33 | 東海道本線 新快速(土休日は5:55発 快速) |
米原 着 | 8:00 | 乗り換え(土休日は7:41着) | |
米原 発 | 8:03 | 東海道本線 普通(土休日は8:04発) | |
大垣 着 | 8:37 | 乗り換え(土休日は8:36着) | |
大垣 発 | 8:40 | 東海道本線 新快速(土休日は8:48発 快速) | |
岐阜 着 | 8:53 | 乗り換え(土休日は9:00着) | |
岐阜 発 | 9:10 | 高山本線 普通 | |
美濃太田 着 | 9:44 | 乗り換え (土休日は9:42着) | |
美濃太田 発 | 9:57 | 高山本線 普通 | |
下呂 着 | 11:18 | 下呂温泉でのんびり(宿泊滞在も可、その場合、帰路は翌日以降に) | |
下呂 発 | 17:33 | 高山本線 普通 | |
美濃太田 着 | 18:44 | 乗り換え | |
美濃太田 発 | 18:54 | 高山本線 普通 | |
岐阜 着 | 19:30 | 乗り換え(土休日は19:31着) | |
岐阜 発 | 19:45 | 東海道本線 快速(土休日は19:51発 新快速) | |
米原 着 | 20:35 | 乗り換え(土休日は20:40着) | |
米原 発 | 20:54 | 東海道本線 新快速 | |
大阪 着 | 22:17 | 旅の終わり |
現在も非電化路線を走る普通列車等で奮闘しているキハ40系気動車(ディーゼルカー)。その誕生は青春18きっぷよりやや古いものの、感覚的にはほぼ同世代と言ってもいいのだろう。
全体で888両製造されたキハ40系。派生形式が多いのも特徴で、冷房化をはじめ、改造も多彩。車両の詳細な履歴は専門のファンの方々でなければわからないほど奥が深い。
ローカル線の旅も楽しめる青春18きっぷとは縁が深く、たびたびポスターにも登場するほど。ただ、車両の経年化もあり、徐々に新世代の車両へと置き換えが進められている。
写真は下呂駅で見かけたキハ40系(キハ48形)気動車。高山本線でも新型車両の導入が進み、キハ40系はこのほど引退に。115系電車と同じく、こちらキハ40系もそろそろ世代交代の時が近づいてきている
写真家、パズル作家。日本のすべての都道府県を夫婦で4巡し、「青春18きっぷ」歴は20年以上。
著書(夫婦の共著)は写真集『猫ヶ島』、『わらいねこ』をはじめ、
『旅してでも食べたい 地もの旬もの回転寿司』など。
夫婦旅ブログ http://fullmoon.aizawa22.com
文・写真:相澤秀仁&京子
※掲載されているデータは平成27年6月30日現在のものです。