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「新車情報付き!! ジョイフルトレインから特急用車両まで コンセプトカー」新型車両を開発する時に示されるコンセプト。今回は旅客や時代のニーズに対応したコンセプトカーを連結する特急列車を紹介します。

コンセプトカー写真館

スハ88 1(初のお座敷車両)

昭和35年に国鉄盛岡局で誕生した初のお座敷車両は元祖ジョイフルトレイン

サロンエクスプレス東京(展望室付き客車)

両端にパノラマ風景が楽しめる展望室を設置したコンパートメント中心の欧風客車

サロンカーなにわ(展望室付き客車)

両端に客車特急「つばめ」の展望車をイメージした展望室を設置した欧風客車

ユーロライナー(展望室付き客車)

両端にワイドなガラス張りの展望室を設置したヨーロピアンスタイルの欧風客車

清流しまんと号(貨車改造のトロッコ)

昭和59年8月にトラ45000形式貨車を改造した元祖トロッコ列車が予土線に登場

山陽新幹線0系(ビデオカー)

ビデオ上映が楽しめた0系のビデオカー。正面右側にモニターが見える

What's コンセプトカー?

代表的なコンセプトカーは、昭和30年代、日本人の宴会趣向をコンセプトに登場した「お座敷車両」です。

 新型車両の開発や車両の改造時に示されるのが車両のコンセプトです。「どのような目的で使用するのか」「どのような旅客のニーズに応えるのか」「どの路線で使用するのか」などを決めて開発するのですが、幅広く考えればすべての車両にコンセプトがあることになります。

 例えば、団体旅行をより楽しめるように考え出されたお座敷車両は、昭和35年(1960)に当時の国鉄盛岡鉄道管理局で食堂車を改造して畳敷きにしたスハ88 1が最初の車両で、当時の日本人の宴会趣向をコンセプトにしたものでした。

 昭和40年代後半以降は各地にお座敷専用車両が続々と登場し、ゆったりくつろげる団体専用列車の基本アイテムとなりました。

 お座敷車両は宴会趣向にぴったりのものでしたが、時代のニーズは個室や展望室などを備えた欧風スタイルにも及んだため、昭和58年に東京で「サロンエクスプレス東京」、大阪で「サロンカーなにわ」が誕生。豪華な内装の欧風車両が人気の的となり、昭和60年には名古屋で「ユーロライナー」が誕生したほか、各地で気動車を改造した2〜3両編成の欧風車両が続々と登場しています。

 ジョイフルトレインは当時の国鉄が団体旅行の目玉として開発した車両でしたが、昭和60年に北海道に登場した「アルファ・コンチネンタル・エクスプレス」は、トマムスキー場にある2つのホテルがスキー専用列車として使用するため、車両のデザインなどホテルの意向に合わせられました。ホテルのコンセプトがそのまま車両に反映されたため、ホテルが使用しない春〜秋は「リゾートエクスプレス」と名を変えて活躍。2つの車両愛称をもつ珍しい車両でもありました。

 このほか、鹿児島本線の特急「有明」の「ビデオカー」をはじめ、山陽新幹線0系の「ビデオカー」や「こどもサロン」など、列車サービスのひとつとして登場したものがあります。

 JR化後も団体旅行をコンセプトにした車両は数多く登場していますが、さらに五能線の「リゾートしらかみ」や山陰本線の「みすゞ潮彩」など、特定の路線の観光利用に特化した車両が誕生しています。

 また、空港輸送専用車両ローカル線対応の特急用電車など、JR各社では使用目的に合わせたコンセプトで開発した車両が活躍しています。

デンマーク国鉄との共同デザインを採用した 特急「スーパー宗谷」[JR北海道]

 平成2年10月16日、北海道と気候風土が似ているデンマークの国鉄(DSB・現デンマーク鉄道)と姉妹鉄道提携を結び、駅舎や車両のデザイン・技術などお互いに優れている分野を学び合うことになりました。このような経緯により新千歳空港や小樽築港、函館の各駅の新駅舎建設では、デンマーク国鉄の優れたデザインが花開きました。

 また、平成12年3月11日に登場した宗谷本線の特急「スーパー宗谷」用のキハ261系は、デンマーク国鉄との共同デザインを採用した車両。先に登場したキハ281系と比較すると外観はさらに丸みを帯びたデザインとなり、室内の照明を蛍光灯に代えてハロゲンランプとし、さらに座席やモケットの配色も明るくて落ち着きのある独特な雰囲気を醸し出しています。

データ
種別
特急型気動車
運転線区
函館本線・宗谷本線
運転区間
札幌〜稚内

デンマーク国鉄と共同でデザインしたスタイルの261系特急「スーパー宗谷」

明るくて落ち着きのある客室内に2+1席配置のリクライニングシートが並ぶグリーン室

都心と成田空港を結ぶ空港アクセス車両 特急「成田エクスプレス」[JR東日本]

 成田空港と都心の間を行き来する国際線旅客の利用を考慮し、「価値のある移動空間」を基本コンセプトに開発された空港アクセス専用車両です。各車両の出入口付近にスーツケースや大型荷物が収納できる荷物棚を設置したほか、座席下などに荷物を収納できる空間が作られています。

 成田空港寄りの先頭6・9・12号車(列車によって異なる)に連結されるグリーン車または普通車には、家族連れに最適な4人用グリーン個室を連結。外国人乗客にも利用しやすい情報案内も行なわれており、空港アクセス専用ならではの車両になっています。

 すでに「新NEX」用のE259系車両も試運転を開始しており、平成21年秋から順次現在の253系に代わって成田空港へのアクセス列車として活躍する予定です。

データ
種別
特急型直流電車
運転線区
東海道本線・東北本線・中央本線・山手線・総武本線・成田線
運転区間
大船・横浜・大宮・高尾・池袋・新宿・品川〜成田空港

成田空港のアクセス専用車両として登場した253系特急「成田エクスプレス」

家族・グループでの海外旅行の時に便利で快適な4人用グリーン個室

特急「成田エクスプレス」E259系が2009年秋、営業運転開始!!

253系と比べると運転台の位置が高くなって精悍なスタイルとなった

外国人旅行客の利用も多いのでゆったりとした車内スペースを確保

車イス使用でも利用しやすいバリアフリー対応の多機能トイレを設置

身近で親しみやすい3両編成の特急電車 特急「(ワイドビュー)ふじかわ・伊那路」[JR東海]

 JR東海では、中央本線の383系電車や高山本線・紀勢本線のキハ85系気動車など、路線にあわせた「ワイドビュー」車両を開発してきました。平成7年10月の身延線の特急列車の運転に合わせて登場したのが、「身近で親しみやすい特急」を基本コンセプトに開発された373系電車です。

 ローカル線の特急列車から中長距離列車まで幅広く使用できる汎用性を重視し、普通車のみの3両編成が基本となっています。2人掛けのリクライニングシートを採用した普通車ですが、車端には家族・グループ旅行に最適な4人ボックス席のセミコンパートメントも設置。身延線の特急「ふじかわ」や飯田線の特急「伊那路」で活躍しているほか、東京〜大垣間の臨時快速「ムーンライトながら」にも使用されています。

データ
種別
特急型直流電車
運転線区
東海道本線・身延線(ふじかわ)
飯田線(伊那路)
運転区間
静岡〜甲府(ふじかわ)
豊橋〜飯田(伊那路)

ローカル線の旅がより快適に楽しめるワイドビュー特急車両の373系

2人掛けのリクライニングシートが並ぶ車内。車端には4人用のセミコンパートメントも配置

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