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いつかは乗りたい……! さらに楽しむための小ワザも。豪華列車の一夜~Welcome to a luxury train~

  • 日本最長の寝台列車 トワイライトエクスプレス
  • ホテル並みの優雅さ カシオペア
  • クラシックホテルの風格 北斗星


食堂車。真紅の絨毯、壁に掛けられたステンドグラスがお洒落。ランチ、ディナー、パブ、朝食時に営業している。

11:50

 やっぱり気品に満ちている。深緑色の車体にシャープな黄色のライン、エンジェルが描かれたロゴマーク……。トワイライトエクスプレスは正午すこし前、大阪駅を出発した。

 車内は木目調の壁が広がり、緑色の絨毯が敷かれてシックな装い。ゆとりある空間のA個室とシンプルなB個室を中心に、2段ベッドが向き合うコンパートメント、スイートまで揃う。

 荷物を置いて最初に向かったのは、列車の中ほどにあるサロンカー。大きな窓が天井まで広がり、風景を楽しむのにうってつけだ。グループや親子連れがぞくぞくとやってきて、お弁当を広げながら車窓に釘付け。静かに横たわる琵琶湖、間近に迫る比良山系……。スバラシイ眺めにお喋りが弾む。

16:55

 このサロンカーがさらに賑やかになるのが夕刻。日本海に浮かぶ夕日が見えるからだ。越中宮崎駅に近づく頃、「ほらほらあそこ!」と窓を指差す乗客の声が。そちらに目をやると、紺碧に広がる海の上で、黄色を帯びたオレンジ色の夕日が煌々と輝いている。引き込まれるような美しさに、瞬きするのを忘れそう。わずかな時間だけれども、その景色はしっかり心に刻まれた。

17:30

 次なる楽しみはディナー。客室では日本海会席御膳、ロココ調子のインテリアが豪華な食堂ではフランス料理のフルコースを味わえる(料理はいずれも要事前予約)。今宵はちょっとリッチにワインとともにフレンチを。暗くなった外の町並みを眺めながら、ゆったりグラスを傾ける。慌しい日常なんてどこへやら。至福の時に酔いしれた。

06:35

 眠りについている間に、列車は青函トンネルを声、北海道へ。目が覚めると、窓越しに朝焼けに包まれた内浦湾が広がっている。まだひんやりする朝のサロンカーに出て車窓を眺める。緑の大地に牛が寝そべり、馬が悠々と闊歩していて微笑ましい。

 車内で時折顔を合わせていた女性が「長時間の列車旅、退屈するどころか楽しくてあっという間でした」と笑う。本当にそう思う。間もなく札幌に着くけれど、日本最長の列車旅をまだまだ続けたくなってきた。

写真

  1. サロンカー。両側に大きな窓が広がり、緑の中を疾走するよう。座り心地のいいシートやテレビが置かれ、ビデオ上映もある
  2. ソファーはベッドになり、ツインで利用できるB個室。鏡やオーディオなども付いていて機能的だ
  3. フランス料理ディナーコースの一例(季節により内容は変わる)。オリジナルの食器で提供され、高級感が漂う。1万2000円
  4. 食堂車で料理とともに味わうワインは格別。パブタイムなら予約なしで利用できる
  5. いつまでも眺めていたくなる幻想的な内浦湾の朝焼け。車内販売のホットコーヒーを飲みながら楽しみたい

ベテラン鉄道カメラマンが伝授 豪華列車ステイの小ワザ

この列車の売りは、なんといっても食堂車「ダイナープレヤデス」でのディナータイムです。オリエント急行のようなロココ調の落ち着いたインテリアが旅人を迎えてくれます。流れゆく夜景を眺めながらのディナーはまさに至福の時間です。サロンカーでのくつろぎもお忘れなく。日本海の夕日はもちろん、夜が明けて太陽が顔を出せば、北の大地に朝日のグラデーションが車窓いっぱいに広がります。

カメラマン 猪井貴志さん

鉄道を撮りはじめて30年以上、「マシマ・レールウェイ・ピクチャーズ」の主力カメラマン。『車窓で旅する日本列島 東日本編・西日本編』(各1680円・小社刊)も発売中。

写真:猪井貴志さん

文=福島恵美
写真=浅水浩二、マシマ・レイルウェイ・ピクチャーズ、交通新聞サービス
※掲載されているデータは平成22年9月現在のものです。
※ 月刊『旅の手帖』2008年12月号より転載、再構成。



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