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いつかは乗りたい……! さらに楽しむための小ワザも。豪華列車の一夜~Welcome to a luxury train~

  • 日本最長の寝台列車 トワイライトエクスプレス
  • ホテル並みの優雅さ カシオペア
  • クラシックホテルの風格 北斗星

クラシックホテルの風格をたたえる歴史ある列車『北斗星』上野→札幌 1214.7km

日本の豪華寝台列車の時代を築いた寝台特急「北斗星」。落ち着いたカラーの個室寝台、白熱灯ともる食堂車、気品ある車内サービス。運転開始20年を経た夜汽車は、クラシックホテルの風格を見せて今日も走る。


ヨーロッパを代表する豪華列車オリエント急行を思わせる、クラシックなエンブレムがブルーの車体に映える

 伝統の濃紺の塗装を身にまとい、北に進路をとるブルートレイン「北斗星」。日本で始めて東京と札幌を結んだ列車である。昭和63年、青函トンネルの開業とともに走り出した列車は、優雅な旅を乗客に提供するため、それまでの夜行列車から車内は一新された。

 シックなカラーでまとめられた寝台車は個室が中心となり、最高級のA寝台1人用個室ロイヤルは、室内にシャワールームも完備。ラグジュアリーな食堂車では、フランス料理のフルコースを提供。食後のひと時を過ごせるラウンジスペースも設けられた。

 豪華寝台列車の先駆けとして大人気となった「北斗星」は、その後3往復まで増発された。しかしさらに上をゆく「カシオペア」の新設などにより徐々に本数を減らし、現在は毎日1往復のみが走っている。とはいえ、さまざまな客室タイプがあり、ひとり旅からグループ旅行まで幅広く利用できる。

18:50

 都会のラッシュが一段落するころ。上野駅13番線ホームに、12両編成の「北斗星」が機関車に押されて静かに入ってくる。欧州の豪華列車を思わせるエンブレムを付けたブルーの車体に、「札幌」行きの表示が誇らしい。家路を急ぐ人々の羨望の眼差しを受けながら、19時3分、汽笛一声、列車はスムーズに走り出す。

19:45

 心地良い揺れに身を任せながら、ただ時が流れていく。日常の忙しさを忘れて肩の力が抜ける頃、食堂車「グランシャリオ」で晩餐が始まる。ワインを楽しみつつ、テーブルに並ぶ豪華な料理に舌鼓を打つ。食後のパブタイムを終えて個室に戻れば、あとは星空を見上げながらベッドで休むだけだ。

05:12

 翌朝青函トンネルを抜けた列車は、右手に津軽海峡を望みながら、6時34分に函館へと到着する。ここで機関車を切り離して進行方向を変え、広大な北海道の大地の上を北上する。朝食前のモーニングコーヒーを片手に食堂車に腰を下ろせば、大沼、駒ケ岳、内浦湾と、北海道の名所が次々と車窓に映る。名湯・登別を発車すると、旅の終わりも近い。終着駅札幌には、11時15分の到着だ。

写真

  1. 食堂車「グランシャリオ」のテーブルに灯りがともされると、優雅な夕食の時間も近い
  2. 列車最後尾に誇らしく掲げられる、北斗星をモチーフにしたテールマークは、特急列車のシンボル
  3. 21時5分。予約制の夕食が終わると、食堂車では寛ぎのひと時を過ごせるパブタイムが始まる
  4. 通常のB寝台料金で乗車できる2人用個室「デュエット」は、カップルや友達同士の旅におすすめのお得な個室寝台
  5. 北の大地の上を、重連のディーゼル機関車に引かれたブルートレインが滑らかに走り去る

ベテラン鉄道カメラマンが伝授 豪華列車ステイの小ワザ

 青函トンネルが開通して上野から札幌へと、北の大地を目指して初めて走り始めた記念すべきブルートレインです、ぜひ体感しておきたいのは、青函トンネルの中です。それまでのガタンゴトンという列車ならではのリズムから、ゴォーとトンネル内に反響した一定の響きに変わります。約53kmが一本のレールという、スーパーロングレールを使用しているので、まるで空の上のジェットストリームに乗ったジェット機の機内と同じ感覚が味わえます。

カメラマン 猪井貴志さん

鉄道を撮りはじめて30年以上、「マシマ・レールウェイ・ピクチャーズ」の主力カメラマン。『車窓で旅する日本列島 東日本編・西日本編』(各1680円・小社刊)も発売中。

写真:猪井貴志さん

文=白川 淳
写真=マシマ・レイルウェイ・ピクチャーズ 交通新聞サービス
※掲載されているデータは平成22年11月現在のものです。






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