『トレたび』は、交通新聞社が企画・制作・運営する鉄道・旅行情報満載のウェブマガジンです。
日本一の山、富士山の雄姿。熱海から東海道本線で西へ向かう時、三島で顔をのぞかせた富士山が沼津で愛鷹山(あしたかやま)に隠れ、吉原にかけて再び姿を見せてくれる。東海道本線随一の車窓風景をお見逃しなく。
天下の名湯、熱海温泉。駅前には無料の足湯「家康の湯」があり、天下の将軍、徳川家康もお気に入りだったという当地の天然温泉が旅の疲れを癒してくれる。タオルの自動販売機がそばにあるのもユニーク。
富士市の新名物「つけナポ」こと「つけナポリタン」。トマトやチーズが入ったスープにつけていただくナポリタンは、ほどよい酸味が美味。お箸で食べるナポリタンは初体験で、まさに“不二”のスタイル。
パワースポットとしても知られる富士山本宮浅間大社。大きな鳥居が澄み切った青空と、ご神体の富士山に映える。この風景を前にすると、気持ちまで清々しくなっていく。富士山から元気をもらおう。TEL.0544-27-2002。6:00~19:00(3月・11月は5:30~19:30、4月~9月は5:00~20:00)
ぷりぷりとした歯ごたえの麺にソースが香る「富士宮やきそば」。ふりかける魚の削り粉が静岡らしく、一段と風味を増す。鉄板を囲み、はふはふと頬張れば、昔懐かしい味わいがいっぱいに広がる。
東京駅から数多くの普通電車・快速電車が出発する東海道本線。実はここにスペシャルな普通電車も走っている。その電車こそが、東京駅7時24分発の伊東行き普通電車。
なぜスペシャルかというと、この普通電車だけ特急「踊り子」号と同じ185系特急形電車を使用。つまり、グリーン車を除き、普通車は「青春18きっぷ」で追加料金なしで利用OK。なんと特急用の快適なリクライニングシートに座って車窓も存分に楽しめるからだ。
まずは平塚あたりで車窓右手に富士山を眺め、小田原を過ぎれば、右手にはミカン山が迫り、左手には光あふれる相模湾に初島や伊豆大島が浮かぶ。湘南のまばゆい風景を楽しみながら、大型のテーブルが付いたクロスシートで、お弁当もゆっくり食べられる。
今年、発売30周年を迎える「青春18きっぷ」。昭和57年の発売当初は「青春18のびのびきっぷ」という名称で、てっきり学生向けの切符かと思ったが、当時から年齢制限はなし。誰でも利用できる切符だった。一方、185系特急形電車もこの時代、1981年~1982年にかけての製造。くしくも両者は同世代の間柄だった。リニューアル工事が施され、今も活躍を続ける185系。特急気分で行く「青春18きっぷ」の旅は本当に格別だ。
日本一の山、富士山から元気をもらい、ご当地グルメを堪能する日帰り旅。その途中、ちょっと熱海で下車して駅前にある天然温泉の足湯「家康の湯」(無料)へ。天下の将軍、徳川家康も熱海の名湯がお気に入りだったという。
すっかり身体も温まり、東海道本線でさらに西へ。やがて電車はその名もずばり富士駅に到着。富士市では話題の「つけナポ」こと「つけナポリタン」をランチにぜひ食べてみたい。
お腹を満たし、いよいよ身延線に乗車。富士山本宮浅間大社の門前町、富士宮へ。駅から歩くこと約10分、パワースポットとしても知られる富士山本宮浅間大社が見えてくる。ご神体のそびえ立つ富士山といい、徳川家康が造営した本殿といい、とても清々しい気分に。
ここ富士宮では「富士宮やきそば」も忘れてはいけない。「肉かす」などを用い、削り粉をかけて仕上げる「富士宮やきそば」は、ソースが香る懐かしい味。市内を散策しつつ、それぞれの好みに合った店を探そう。
富士山に満たされる日帰りの旅も「青春18きっぷ」なら2,300円。なんと3,310円もおトクになり、また一つ元気をもらった気分で帰路につく。
駅名 | 時間 | 旅のひとことアドバイス | |
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1日目 | 東京発 | 7:24 | 特急形電車(185系)使用のおトクな普通列車。特急気分で熱海へ! |
熱海着 | 9:22 | 駅前の足湯「家康の湯」(無料)で一息。ポカポカ温泉気分! | |
熱海発 | 10:35 | 車窓に富士山を眺めながら富士へ | |
富士着 | 11:15 | 新名物「つけナポ」のランチ | |
富士発 | 13:17 | 身延線で富士宮へ | |
富士宮着 | 13:35 | 富士山本宮浅間大社を参拝し、「富士宮やきそば」めぐり | |
富士宮発 | 16:47 | 夕焼け富士山を車窓に | |
富士着 | 17:05 | 東海道本線に乗り換え | |
富士発 | 17:13 | 沼津、三島を経て熱海へ | |
熱海着 | 18:00 | 東京行きに乗り換え | |
熱海発 | 18:10 | 小田原、横浜を経て東京へ | |
東京着 | 19:56 | 富士山からパワーをゲット! 通常運賃より、3,310円もお得な旅でした! |
普通電車の中には特急形車両を使用したおトクなものもある。その筆頭が東京駅7時24分発伊東行き普通電車。また、内房線や外房線には途中、普通電車になる特急がある。そして、海向き座席が特徴の伊東線「リゾート21」もおすすめ。これらおトクな普通電車はぜひ『JR時刻表』などでご確認を。
文・写真:相澤秀仁&京子
※掲載されているデータは平成24年1月29日現在のものです。