『トレたび』は、交通新聞社が企画・制作・運営する鉄道・旅行情報満載のウェブマガジンです。
ニセコアンヌプリを間近に望む大自然に抱かれた比羅夫駅。駅舎内では「駅の宿ひらふ」が営業。駅舎を利用した民宿は日本唯一といわれています。
旅人に人気なのが、プラットホームで食べる炭火焼きジンギスカンの夕食。時には列車を見送りながら、大自然に囲まれた駅のホームでいただくジンギスカンはこの駅ならではの格別の味わいです。
宿泊は駅舎2階の他、2棟のログコテージがあり、芳しい木の香りに包まれてゆっくりくつろぐことができます。
また、自然木をくり貫いた「丸太風呂」が夏は露天風呂となり、夜には満天の星を眺めながら入浴を楽しむことができます。
色鮮やかなルピナスの花々に囲まれた夏の比羅夫駅。駅舎はそのまま「駅の宿ひらふ」として営業中
駅舎を利用した民宿の他にログコテージが2棟。写真は木の香漂うログコテージ・すーる(スペイン語で南)室内
東京駅をモチーフにしたレトロチックな深谷駅舎は、旧駅舎の改築により平成8年に誕生しました。
深谷は「日本資本主義の父」と呼ばれる明治の大実業家・渋沢栄一生誕の地。氏が起業した日本煉瓦製造の工場は明治20年(1887)10月に深谷に建設されました。同社のレンガは大正3年(1914)に建築された東京駅にも使用され、現在も「赤レンガ」の愛称で親しまれています。これにちなんで、深谷駅改築の際には東京駅を模したデザインが用いられることになりました。
実際には建物にレンガは使用されておらず、レンガ風の外壁で仕上げられていますが、本物と見まがうほど立派な造りになっています。
深谷で製造されたレンガが用いられた東京駅を模して平成8年に完成した駅舎。夜間はライトアップされる
開業当初の東京駅にあった天井のドームも再現されている。その凝った造りは一見の価値あり
長野、静岡、愛知3県の県境にも近い天竜川沿いの山間に位置する小和田駅。駅の周囲には民家どころか、駅外へ通じる車道もなく、究極の「秘境駅」として知られています。近くの集落へは急峻な山道を40〜50分程度歩かなければたどりつけません。
昭和59年より無人駅になっていますが、開業時からの木造駅舎が当時の姿のまま残されており、山間の風景と相まって味わい深いたたずまいを見せています。
平成5年6月9日、皇太子殿下と当時の小和田(おわだ)雅子様がご成婚されたのと前後して、同じ漢字を書く小和田駅が「恋愛成就駅」としてマスコミ等に盛んに取り上げられ、小和田駅ブームが起きた事もありました。
昭和11年の開業時から変わらぬ姿を見せる木造の駅舎。近年は「秘境駅」ブームで再び訪問者も増えている
天竜川を望む小和田駅周辺は深い山々に包まれている。駅への唯一の交通手段が飯田線のみというまさに秘境駅