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祈願成就に多少の困難はつきもの。むしろ、神様は私たち自身が果敢にチャレンジする姿を見て、ようやく手を差しのべてくれるものなのかもしれない。子供の頃、怠けていると、大人に「神様はちゃんと見てるんだからね!」と注意されたものだが、案外、本当なのかもしれない。いざ、行かん!
全国に約900社ある『愛宕神社』は、京都が本社。地域の信仰が厚く、「愛宕さん」として親しまれている。火伏せのご利益で知られ、この辺りには“火廼要慎(ひのようじん)”のお札を張っている家庭が多い。3歳までに参拝すると一生火事に遭わないと言われていて、休日には赤ちゃんを連れて山頂を目指すファミリーも目立つ。登山ルートは、清滝から約5.5kmある表参道が一般的。決して楽な道のりではないが、きっと神様はそのがんばりを見てくれているはず。上記のお札の他、天狗のストラップも勝運があるとして人気だ。
石川県の『気多大社』は縁結びで名高い。その由来は、ご祭神である大国主神(おおくにぬしのかみ)が、勢理毘売(すせりひめ)との結婚を許してもらうため、その父・素戔嗚尊(すさのおのみこと)から課された幾多の試練に堂々と立ち向かったことによる。愛する者のためなら、どんな苦労も乗り越えてみせる。その勇気ある行動にあやかって、ぜひとも良縁をつかみたい。本殿へのお参りが済んだら、“入らずの森”で気をいただいて、境内にある“むすびの石”を探そう。その上に小石を積むと幸せになれるらしい、と若い女性の間で話題だ。
『笠ヶ瀧寺』は、小豆島八十八ヶ所霊場の第七十二番札所・瀧湖寺の奥之院。島の霊場の中でも特に険しい山岳霊場で、本殿へは、急な岩場を鎖伝いによじ登り、ほの暗い洞窟を進んでやっとたどり着くことができる。ご本尊は不動明王。
白装束のお遍路さんに混じって、近ごろでは若い女性の姿もちらほらと見かけるようになった。縁結びに霊験ありとの噂を聞きつけてやってきた人々で、皆、良縁の願掛指輪(1000円~)を拝受していく。生半可な気持ちでは行けない難所だけに、到達できた本気の持ち主には、きっとご不動様もお応えくださるはず!? ヒール靴はNG。恋の道同様、足元はしっかり固めて、ふんばりのきく靴で参りたい。
『萩生寺』は、愛媛県にある真言宗の寺。珍しさ目白押しのパワースポットだ。
まずは、寺近くまで歩いていくと突然空に現れる巨大な二つの目。本堂最上部に描かれた佛眼で、ネパール、チベットのものを元にしているため、かなりエキゾチック。一瞬、異国に意識が飛んでしまう。
境内へ歩めば、二体の大師像が背中合わせに接合した『両面大師』像が出迎え、本堂に進めば、なんと延々と続く『地下霊場』が。 約110mの静謐な回廊に121体ものインド・中国・日本のご本尊がズラリ。未知の神秘が曼荼羅のように渦巻き、気づけばすっかり忘我の境地に。"心願の開かれる寺"として多くの人が詣でる、という評判にただただありがたく納得させられる。
古事記や日本書紀にも描かれる神々の伝説には、九州が舞台の話も多い。悠久のロマンとともに、ご利益高きスポットを巡る、絶好のエリアだ。
八幡社の総本宮『宇佐神宮』にはご祭神が三殿ある。一之御殿の八幡大神(はちまんおおかみ)は、応神天皇のご神霊で、清和源氏など、国中の武士から崇敬を集めた神様。また、二之御殿の比売大神(ひめおおかみ)は地主神で、卑弥呼説を唱える人もいるという。そして三之御殿は、応神天皇の御母、神功皇后(じんぐうこうごう)。古より国事にまつわる三殿一徳のご神託が多いことから、伊勢神宮に次ぎ、皇室、第二の宗廟(そうびょう)だ。「下宮参らにゃ片参り」と言われ、上宮、下宮を詣でれば霊験あらたか。また、神社全体にパワーが溢れているため、くまなく巡って、武士の如く、大事を成し遂げる力を授かりたい!
また、とりわけ金運に絶大なパワーを発揮すると知られているのは『宝当神社』だ。ご祭神は、戦国時代の勇敢な武人だった野崎隠岐守綱吉命(のざきおきのかみつなよしのみこと)。老臣にねたまれ、高島(たかしま)に身を寄せると、海賊から島民を守り、死後、大権現として祀られた。明治の末期に島が製塩業で潤うと、お礼に大権現を“当島の宝”と称え、以降『宝当神社』と呼ぶようになったという。すると、宝くじの高額当選や家の新築など、「宝を当てた!」と、手紙が寄せられるように。昨今さらに、「セレブ守り」(800円)も奉製。これさえ携えれば、私にもセレブへの道が開かれる?
高千穂といえば、天孫降臨の地。瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)以下、三代の神々をお祀りする『高千穂神社』は、高千穂郷八十八社の総社だ。本殿裏には鎮石(しずめいし)が置かれ、詣でれば、どんな悩みであろうと、果ては世の乱れまでも鎮まるありがたさ。また、夫婦杉に夫婦円満を願うのも忘れちゃならない。
天照大神が引き籠もった、と伝わる洞窟“天岩屋戸(あまのいわやど)” を社殿奥の聖域とする『天岩戸(あまのいわと)神社』。洞窟から出すために、八百万(やおろず)の神々が宴を催した天安河原(あまのやすがわら)には、見渡す限りの石の塔が続く。心に念じて石を積めば、願いに応える神様にきっと通じるはず。他にも高千穂には神話スポットが目白押し。強力な神力を、全身で浴びるべし。
詳細は……高千穂町観光協会
高千穂へのこんな日帰り旅はいかが?……「JRで行く パワースポット高千穂の旅」
※掲載されているデータは平成22年12月現在のものです。